11期連続増配予定!アルトナー(2163)2026年1月期3Q決算まとめ

技術者派遣・請負受託事業を手掛ける株式会社アルトナー。

2026年1月期第3四半期決算(2025年2月〜10月)が2025年12月8日に発表されましたので、今回はその内容を見ていきます。

記事のポイント

技術者派遣事業が堅調に推移し、営業利益率16.6%の高収益を維持。年間配当84円で11期連続増配を予定し、高配当投資家にとって魅力的な内容。

決算ハイライト

主要業績は以下の通りです。

今期第3四半期より連結決算に移行したため、前年同期比は記載されていません。参考として単体ベースでは売上高7.8%増、営業利益9.4%増となっています。

項目 今期実績(9ヵ月) 通期計画 進捗率
売上高 89.00億円 115.84億円 76.8%
営業利益 14.79億円 18.55億円 79.7%
経常利益 14.83億円 18.54億円 80.0%
純利益 10.22億円 12.86億円 79.5%
EPS 96.23円 121.06円 -

出典:株式会社アルトナー 2026年1月期第3四半期決算短信

営業利益率は16.6%と極めて高い水準を維持しており、収益性の高さが際立っています。

業績の進捗状況

第3四半期時点での進捗率は以下の通りです。

項目 進捗率 評価
売上高 76.8% 好調
営業利益 79.7% 好調
経常利益 80.0% 好調
純利益 79.5% 好調

Q3時点で75%が目安とされる中、全ての項目で75%を超えており、通期計画の達成可能性は極めて高いと判断できます。特に経常利益は80.0%の進捗率で、例年を上回るペースで推移しています。

技術者派遣業は季節性が少ない事業モデルですが、Q3で80%近い進捗率は素晴らしいですね。稼働率が高水準で推移していることに加え、技術者単価の上昇も寄与しているようです。通期計画の達成は堅いと見ています。

事業別の状況

事業は主に2つ(技術者派遣事業と請負・受託事業)で構成されており、数値は以下のとおりです。

事業 売上高(百万円) 前年比 構成比 状況・増減要因
技術者派遣事業 7,733 6.0%増 86.9% 技術者数増加、稼働率高水準推移、新卒技術者の配属前倒しにより稼働人員が増加。企業の賃上げ傾向や技術者不足、戦略的なローテーションにより技術者単価が上昇
請負・受託事業 1,116 20.4%増 12.5% 積極的な営業展開により受注プロジェクトへの配属者数が増加。 顧客ニーズに応じて技術者派遣から請負・受託へのプロジェクト変更も実施

出典:株式会社アルトナー 2026年1月期第3四半期決算短信 補足説明資料

どちらの事業も前年比で増加しており、順調に成長しています。

また、利益についても採用関連投資費用やIT・DX投資費用などの支出があったものの、売上高が伸長したことにより、これらの費用が吸収され、増加しました。

技術者派遣と請負・受託の両輪でしっかりと成長投資を続けながらも、利益成長によって採用費やDX投資を吸収できている点は、ビジネスモデルとしての強さがよく表れていると感じます。​
今後もこの成長サイクルが維持できれば、高収益と高配当を両立しながら、M&Aも含めたさらなる事業拡大が期待できそうです。

配当・株主還元

配当予想は増配が維持されています。

項目 今期予想 前期実績 増減
中間配当 42円 41円 +1円
期末配当 42円 41円 +1円
年間配当 84円 82円 +2円
配当性向 69.4% 69.1% -

出典:株式会社アルトナー 2026年1月期第3四半期決算短信

アルトナーは「配当性向50%をベースとし、毎年、当期純利益を増額していくことにより、前年割れのない配当金額の決定をしていきたいと考えております。」としており、今期は11期連続増配を予定しています。

一方で、今期予想ベースの配当性向は約69%と、実績値では目安を大きく上回る水準となっています。高い水準に感じますが、後ほど見る「財務状況」のとおり、自己資本比率は70%弱と依然として高水準で、内部留保にもまだ十分な余力があります。

利益成長によって将来的に配当性向が自然と50%近辺まで下がると、より安心して見ていられそうです。

通期見通し

通期業績予想は修正されています。理由としては、2026年1月期第3四半期より連結決算に移行したことです。

新しい通期業績予想は以下のとおりです。(連結対象となる有限会社クリップソフトの業績予想含む)

項目 通期計画
売上高 115.84億円
営業利益 18.55億円
経常利益 18.54億円
純利益 12.86億円

出典:株式会社アルトナー 2026年1月期第3四半期決算短信

Q3時点の進捗率(経常利益80.0%)を見ると、通期計画の達成可能性は極めて高いと判断できます。むしろ上振れの可能性も視野に入ってくる水準です。

会社は保守的に据え置いていますが、技術者派遣市場の堅調さと高い稼働率を考慮すると、Q4での更なる積み上げが期待できるかもしれません。

財務状況

第3四半期末時点での財務状況は以下の通りです。

項目 今期末
総資産 71.96億円
純資産 49.37億円
自己資本比率 68.6%
現金及び預金 42.63億円

出典:株式会社アルトナー 2026年1月期第3四半期決算短信

自己資本比率68.6%は極めて健全で、現金預金も42.63億円と潤沢です。財務基盤は盤石であり、減配リスクは極めて低いと判断できます。

自己資本比率68.6%は驚異的な水準です。技術者派遣業は設備投資が少ないビジネスモデルのため、キャッシュを効率的に株主還元に回せるのが強みですね。
この財務体質なら、景気変動にも十分耐えられるでしょう。

後発事象

2025年12月8日の取締役会決議により、株式会社情報技研の全株式を取得し子会社化することが決定されました(実行予定日:2025年12月26日)。

情報技研は自動車産業・航空宇宙産業に強みを持つ技術サービス会社で、この買収により以下のシナジーが期待されます。

  • 中期経営計画に基づくM&Aによる総合技術サービス会社への進化
  • 自動車産業・航空宇宙産業でのサービス拡大
  • 技術者リソースの補完と事業領域の拡大

M&Aは成長戦略の一環として注目したいポイントです。情報技研の買収により、特に自動車・航空宇宙分野での競争力が高まることが期待されます。
ただし、統合後のシナジー効果が実際にどの程度出るか、次回以降の決算で確認していく必要があります。

保有継続判断

今回の決算内容を踏まえ、継続保有の観点から評価します。

同決算の良い点

  • Q3進捗率80%と通期計画達成は確実
  • 営業利益率16.6%の高収益体質を維持
  • 年間配当84円で11期連続増配を予定
  • 自己資本比率68.6%で財務基盤は盤石
  • 技術者派遣・請負両事業が堅調に推移

同決算の気になる点

  • 連結決算への移行により前年同期比の詳細比較が困難
  • M&A(情報技研買収)の統合リスク
  • 技術者確保競争の激化による採用コスト増加の可能性

個人的には「継続保有OK、買い増しも検討」とします。

業績は順調に推移しており、営業利益率16.6%という高収益性と11期連続増配という株主還元姿勢は、高配当投資家にとって極めて魅力的です。財務基盤も盤石で、減配リスクは低いと判断できます。

株価が調整した場合は、積極的な買い増しを検討したい優良銘柄です。

今後の注視点

次回決算(2026年1月期 通期決算)で確認すべきポイントは以下の通りです。

注意すべきポイント

  1. 通期計画の達成状況
    • 80%の進捗率からの最終着地
    • 上振れの可能性
  2. 来期(2027年1月期)の業績見通し
    • 増収増益継続の可否
    • 営業利益率の維持・向上
  3. 配当方針
    • 12期連続増配の継続可否
    • 配当性向50%の維持
  4. M&A(情報技研買収)の影響
    • 統合後の業績貢献度
    • シナジー効果の発現状況
  5. 技術者の確保状況
    • 新卒・中途採用の進捗
    • 稼働率の推移

個人的に最も注目しているのは、来期も増配が継続できるかです。11期連続増配という実績を考えると、12期目も期待したいところ。また、情報技研買収がどのように業績に貢献するかも楽しみです。

まとめ:アルトナー(2163)は11期連続増配予定の好決算

今回の決算のポイントを整理します。

項目 評価
業績進捗 ◎ 好調(進捗率80%)
営業利益率 ◎ 16.6%の高収益維持
配当 ◎ 増配維持(年間84円、11期連続)
通期見通し ◎ 据え置きも達成確実
リスク △ M&A統合、技術者確保
総合判断 継続保有OK、買い増しも検討

Q3時点で進捗率80%、営業利益率16.6%の高収益体質を維持し、11期連続増配を予定しています。自己資本比率68.6%と財務基盤も盤石で、高配当銘柄としての魅力は健在です。

技術者派遣事業の需要は堅調であり、請負・受託事業も着実に成長しています。情報技研の買収によるシナジー効果にも期待できます。

高配当投資家として、現時点で売却を検討する必要は全くありません。むしろ株価が調整した場合は、積極的な買い増しを検討したい優良銘柄です。引き続き保有を継続し、次回の通期決算で来期見通しと増配継続を確認していきます。